2014年8月27日水曜日

第7回北九州哲学カフェ開催報告

8月23日18:00から、黒崎ひびしんホールにて第7回北九州哲学カフェを開催いたしました。参加人数は4名でした。
 
テーマは、「なぜ『天災は忘れた頃にやってくる』のか?」でした。今回は読書会形式で、大正12年の関東大震災に遭遇した地球物理学者の寺田寅彦の作品を読みながら、災害についていろいろな角度から考えていきました。
 
まず、『震災日記より』では、実際に震災が起こったときの様子を追体験していきました。その中で、「○○人の放火者」が井戸に毒を入れたり爆弾を投げたりしているという浮説が流れていたというところが気になりましたので、『流言蜚語』をよみながらどういったメカニズムでこのような流言飛語が発生するのかということについて考えていきました。
 
次に、『津浪と人間』を読んでいきました。これは昭和8年に東北の三陸で発生した大津波に関するものであり、2011年に発生した東北の大津波を思わせるような内容でした。それ以前にも明治29年に「三陸大津浪」が発生しており、このような「過去において何遍となく繰返されている」自然現象に対して、なぜ「何かしら相当な対策を考えてこれに備え、災害を未然に防ぐこと」ができないのかということについて考えていきました。
 
それから、『天災と国防』においては日本文化と災害の関係について考察し、今後災害を防いでいくためにはどうあるべきかについて考えていきました。最後に、『災難雑考』においては災害が発生した場合の責任について考察し、特定の人間の責めに帰すのではなく災害の原因を徹底的に調査して今後の参考としていくことの重要性について考えていきました。
 
今回の哲学カフェはテーマが生活に密着した内容だったこともあり、活発な意見が交わされました。今後もさまざまな場で繰り返し取り上げていきたいテーマであると思います。
 
参加された皆様、お疲れ様でした。