2013年6月29日土曜日

第2回北九州哲学カフェ開催報告

6月9日18:00から、折尾のレンタルスペース・ドルフィンにて第2回北九州哲学カフェを開催いたしました。参加人数は7名でした。

テーマは「『右』という言葉を説明できるか?」でした。「右」という言葉にどのような意味があるかを、みんなで考えました。

まず、「右」という言葉が辞書でどのように定義されているかを検討しました。日本の辞書では、表現の差はありますが、概ね「北を向いたときに東にあたる側」と定義されていました。英語の辞書でも似たような傾向があることがわかりました。

そこで、そのような定義のどこに問題があるかについて検討しました。この定義では、まず東西南北について定義しなければならないこと、東西南北のない場所(例えば宇宙空間)では説明することが難しいことなどが問題になりました。

次に、「右」と「左」の違いについて検討しました。言葉の「右」と「左」を置きかえたら反対の意味になるのか。「右」だけあるいは「左」だけが使われている言葉はあるのか。また、それはなぜか。などについて話し合いました。そのような言葉の例として、「左遷」、「左党」、「左団扇」などが挙がりました。これらの言葉には由来があり、「左」を「右」に置きかえても反対の意味になるというわけにはいきません。

さらに、外国語の「右」・「左」についても検討しました。英語では「右」は"right"、「左」は"left"ですが、これはなぜなのでしょうか。なぜ「右」は「正しい」で、「左」は「残った方」なのでしょうか。フランス語の"droit"には「右」という意味と「まっすぐ」という意味とがありますが、これはなぜなのでしょうか。イタリア語の"sinistra"(左)と英語の"sinister"(不吉)が同じ語源を持っているのはなぜなのでしょうか。

最後に、どの文化においても「右」と「左」は必ずあるのかを検討しました。文化によっては「右」と「左」がなく、東西南北で表すところがあるようです。この文化においては、自分を中心にした主観的な表現がなく、客観的な基準を重視した表現がなされているようです。

参加者からは、「『右』と『左』の表現はコミュニケーション上の必要から生まれたのではないか」という意見がありました。「右」という言葉の意味を説明することは難しかったですが、日常なにげなく使っている言葉も、さまざまな角度がら考察することができるということが確認できました。

参加された皆様、お疲れ様でした。